自然妊娠したい。そんな人にとって、ハーブの効能が役に立つことがあります。
中でも人気なのは、癒しのハーブ『カモミール(カモマイル)』ですね。
実はカモミールにはたくさんの種類があり、その中でジャーマン種とローマン種の2種類だけがメディカルハーブティーとして使われています。
市販のカモミールティーは、ジャーマン種がほとんどですね。ローマン種はあまり見かけませんが、ハーブ専門店なら手に入ります。
もしあなたが妊活中に飲むとしたら、どちらのカモミールを選びますか?
迷いますね(^^;)
そこで今回は、妊活中に飲みたいカモミールハーブティーの効果や飲み方、禁忌について種類別にまとめました。
もくじ
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い
風味の違い
カモミールは紀元前から薬草として活用されているハーブ。ギリシア語で大地のリンゴを意味する“Khamaimelon”が、カモミール“Chamomile”の由来です。そのため、ジャーマンとローマンどちらのカモミールも青リンゴに似た甘い香りがします。
二つのカモミールの違いの一つは、ジャーマンは一年草、ローマンは多年草という点。ジャーマンは花だけ香りますが、ローマンは茎や葉っぱからも甘い香りがするので、開花前でも香りを楽しめます。
そして、ジャーマンとローマンをそれぞれハーブティーにすると、大きな違いが現れます。
それは味。ローマンカモミールティーの味はその甘い香りとはギャップがあって、とにかく苦い!
人によっては苦すぎて飲めない!という方もいます。ゴーヤやヨモギのような苦味が死ぬほど好きな私にとっては、ローマンの苦味はたまらなく美味しいと感じるのですが(^^;) そのため、ローマンはアロマセラピー用の精油として活用されることが多いですね。
それに対してジャーマンカモミールティーは、ハーブティーの中では小さな子どもでも飲めるほど万人受けする味。ローマンより香りは弱めですが、まろやかで口当たりが良いので、ハーブティーとして使用されることが多いです。また、ティーだけでなく化粧品の原料としても活用されています。
その他の違い
カモミールの成分作用はジャーマンもローマンも似ていると多くの文献で記されています。
通称(使用部分) | ジャーマンカモミール(花) | ローマンカモミール(花) |
実際の写真 | ||
学名 | Matricaria recutita | Chamaemelum nobile |
和名 | カミツレ | ローマンカミツレ |
分類 | キク科シカギク属 一年草 | キク科ローマカミツレ属 多年草 |
風味 | 甘い香り、まろやかな口当たり | フレッシュな甘い香り、苦みが強い |
茶葉の流通量 | 市販が多く手軽に入手可能 | 希少だが入手は可能 |
主な作用 | 血行促進、抗菌、弛緩、鎮痙、消炎、発汗、鎮静 | 抗糖化、強壮、鬱血除去、通経、子宮収縮 |
それぞれのカモミールに含まれる成分は、ほとんど同じです。しかし、含有量が異なります。例えば、アズレンという成分量はジャーマンカモミールに多く含まれており、ローマンには少ないです。そのためアズレンの抗菌効果を得たいときは、ジャーマンを選ぶべきでしょう(口腔カンジダ、バクテリアの抗菌効果)。
そして近年わかってきたのですが、ローマンカモミールには妊活中の夫婦にとって知っておきたい効能があります。それは、『抗糖化作用』です。(次項『生殖細胞の老化対策ならローマンカモミール』参考)
妊活ならジャーマン?ローマン?おすすめのカモミールティーはこれ
ストレス対策ならジャーマン
「ストレス」や「不安」は抗糖化(老化)を促進します。「心が落ち込んでいる」「なんだかイライラする」と感じたら、ジャーマンカモミールティーを飲んでみてください。ぐっすり眠れますよ。カモミールはストレスや緊張による不調、とくに消化器系の不調(痙攣・疝痛・腹痛・鼓腸・膨満感・下痢・便秘など)を和らげる作用があるのです。からだの緊張を取り除いてくれるイメージですね(^-^)
また、ジャーマンカモミールは生理痛や生理前の頭痛や偏頭痛(PMS)をやわらげ、ストレスによる無月経の治療にも用いられることもあります。ジャーマンが女性に好んで飲まれる理由がわかりますね。
生殖細胞の老化対策ならローマン
妊活中だった私は、急に苦味を欲してローマンカモミールティーをよく飲むようになりました。すると排卵期はほぼ毎日クリニック通いでしたが、排卵日直前になるとこれまでの周期より卵胞がだいぶ大きくなっていて先生に驚かれました(それまでは最大15mmと小さい→22mmに成長)。私は他にも妊活のために努力していましたが、なぜこんな急に成長したのか不思議だったのです。
ローマンカモミールの抗糖化作用が老化を食い止めると聞いたことはありませんか。
私はこの言葉を最初に聞いたとき、自分の体に変化が起きた意味がやっとわかりました。
糖化とは、体に取り込まれた余分な糖質が、たんぱく質と結びつくことで起こります。そしてAGEs(最終糖化生成物)を作り出し、これが体にダメージを与えます。生殖細胞もたんぱく質でできています。そこに糖化が起こり、これが卵子や精子の老化の原因の一つです。
体内がこれらと同じ状態になっていると言われたらゾッとします(>_<)
「不妊と糖化の関係」についてはTVやネット情報でも取り上げられていたので細かいことは省略しますが、「糖化」を抑える=抗糖化が「卵胞の発育」や「妊娠の継続」に関わっているのです。
そこで私は気づきました。「ローマンカモミールにはAGEsの増加を除去してくれる抗糖化成分『カマメロサイド』がたっぷり含まれている!だから卵胞の成長に役立ったのだ」と。
AGEsの蓄積を改善することが不妊対策に有効な可能性があるとわかりました。飲み始めた翌々周期で私が妊娠できたのはハーブティー以外の影響もあったかもしれません。しかしローマンカモミールは生殖医療界でも注目されている抗糖化食品。特に低温期が長くて排卵が遅い方は試してみる価値はありますよ。
妊活でカモミールティーの効果的な飲み方
ジャーマンを飲むベストタイミング
ジャーマンカモミールティーは、眠る前にホットにして一杯飲みましょう。心身ともにリラックスできます。
ちなみに私が授乳していた時は、四六時中ジャーマンカモミールのシングルティーを飲んでいました。おかげで夜泣き知らず。カモミールは大人だけでなく、赤ちゃんの寝つきも良くなるのです。
※ジャーマンカモミールはかなり入手しやすいです。できればワイルドクラフト(成分の濃い野生種)を選びましょう。
ジャーマンが入ったおすすめのブレンド>>>エンハーブおすすめハーブティー3選『ストキリ』『女性リズム』
ローマンを飲むベストタイミング
ローマンカモミールの抗糖化作用を効率的に得るには、食前にハーブティーにして飲むことです。飲む量は一日1~3杯でOKです。ハーブティーは食品のためゆっくり効果があらわれるものなので、継続して飲んでくださいね。
ちなみに私は食前に一口~二口飲み、食事中も飲むというスタイルでした。揚げ物や糖質が多い食事のときはシングルティー、普段は夫も飲めるように少な目にして他のハーブとブレンドしていました。
※ローマンカモミールは専門店でもあまり見かけませんので、楽天・Amazonなど大手通販から取扱い店を探してみてください。
カモミールが禁忌の人、要注意の人
キク科アレルギーの人は禁忌
カモミールはキク科のハーブのため、キク科アレルギーを持っている人は飲用を控えてください。
※カモミールティーを飲みアナフィラキシーショックで死亡した前例あり。
妊娠中の人は注意
ジャーマンカモミールは穏やかに作用するため、乳幼児にも使用できるほど安全性の高いハーブです。しかし、ハーブティーとして高濃度で飲み過ぎたときに吐き気をもよおしたという副作用の報告が数件あります。特に妊娠初期は吐き気を助長する可能性があるため、注意が必要です。
ローマンカモミールはかつて中絶薬(妊娠を終了させる薬)として用いられた過去があります。また、ローマンカモミールは通経・子宮収縮作用により、流産を引き起こす能力を持つハーブ。しかし治療的な分量ではなく、ハーブティーや香辛料として普通に使用する分には妊娠中でも問題ないとされています。
参考文献:メディカルハーブ安全性ハンドブック
※心配になる人は、妊娠がわかった時点で飲用は一旦ストップしたほうがよい。
まとめ
- カモミールのハーブティーは2種類あり、ジャーマンとローマンがある。
- どちらのカモミールも香りは良いが、ジャーマンは飲みやすく、ローマンは苦い。
- ジャーマンカモミールはストレスや不安を感じたときに飲むと良い。
- 糖化を防ぐことは老化を防ぐことに繋がるため、妊活で飲むならローマンカモミールティーを飲むのもおすすめ。
編集後記
ローマンとジャーマンのブレンドティー?全然ありです。
ナッツミルクやドライフルーツを加えるのも苦味が緩和されて美味しいですよ(^-^)
いろいろアレンジしてみてくださいね!
※参考>>効果的なハーブティーの作り方
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